Libro Werde in Japanese (リブロ・ヴェルデ 日本語)

1. イントロ


地区の名前:Libro Werde (リブロ・ヴェルデ)

住民の呼称:Libro Werdeoid、Werdoid (リブロ・ヴェルデオイド、ヴェルドイドなど)

Libro Werdeの言語の由来は、ゲルマン語系やラテン語系のミックスで、用途に応じて様々な言語からの外来語を含みます。

Libro Werde地区という現代の名称は、文字通り「自由な世界」と訳します。

しかし、元々の名称であるIl Orb Werteの意味ははっきりしていません。「希少な球体」、「緑色の地球」、「循環する価値観」など、様々な解釈があります。

また、言語学者は類似した名前を発見しました。スペイン語で「libro verde」はグリーンペーパーを意味します。グリーンペーパーは、「与えられたトピックに関する議論を促すために発行されます。関係者(団体または個人)を協議のプロセスに招待し、彼らの提案に基づき議論を行います。」


Libro Werdeは単に地区というだけではなく、共通点を持つコミュニティやアイデンティティから成り立っています。 固有の区域がありますが、ディアスポラ(外地に住む人口)もいます。多くのLibro Werde人が他所に住んでいます。

Libro Werdeには様々なコミュニティが同時に存在しています。行動のコミュニティ(communities of action)、実践のコミュニティ(communities of practice)、好奇心のコミュニティ(communities of interest)、目的のコミュニティ(communities of purpose)、そして探求のコミュニティ(communities of inquiry)が含まれます。多くのLibro Werde人は皆、単に存在しているだけでは満足できず、いろいろ経験したいと願っています。

行動、好奇心、そして発展はLibroWerdeの文化の特徴です。場所のコミュニティ(community of place)もできたことで、人々の暮らしは豊かになりつつあります。 Libro Werdeoidであることに誇りを持つようになります。敵対する者はWerdeoidを「Weirdo」(古代英米語の「変人」)と揶揄することもあります。

LibroWerdeは人々を受け入れます。 自分がメンバーであると思うならメンバーです。民法、商法、刑法に抵触する限られたケースを除けば、監視や管理を受けません。また、思想的にも肉体的にも、いつでもLibro Werdeから離れることができます。離脱を宣言する必要はありません。

Libro Werdeは、民度が高く、ヒエラルキー(階層の差)と権力の差が少ない社会です。 そのため、情報は行き届きアイデアの交換が活発になります。その結果、開発力と競争力が高まります。

人々は思いのまま発言することを恐れません。発言を馬鹿にされるようなことは滅多にありません。ビジネス、テクノロジー、社会において、新たな試みは奨励されます。失敗は、貴重な学びの経験であり、勇気の証でもあり、成果の一つに数えられます。通常、失敗して恥をかくことはありません。

LibroWerdeでは様々な思想が発達しています。科学に基づいた考え方が有力です。 しかし、この科学的な考え方は独善的ではありません。不変のパラダイムにがっちりと思考を固定するのではなく、Libro Werdoidたちの思慮分別は例えるなら、シーアンカー(海錨、かいびょう)のようなものです。シーアンカーのチェーンの長さの範囲内であればすばやく移動できます。チェーンの届かない範囲では動きが鈍りますが、動けなくなることはありません。常に思慮分別は働きます。未知のものに対するオープンな心構えは科学的であると考えられています。

Libro Werdeでは、飢餓や貧困に苦しむ住民はほとんどなく、その点で豊かです。一般的な仕事ができない人や、その他の方面にエネルギーを注ぎたい人のために、セーフティネット(福祉システム)が基本的な必需品と医療を保証しています。幼稚園から博士号に至るまで、すべての教育レベルで費用は政府が負担します。教育の内容は指導されますが、検閲されることはなく、政府によって厳しく管理されていません。このサポートシステムは、個人が生活の心配をすることなく、創造的で精神的な活動にエネルギーを注ぐために十分なプラットフォームを提供します。

Libro Werdeoidとしての自己アイデンティティは、他のグループや地区のメンバーシップと両立が可能で、相互に排他的ではありません。

2.心理社会学

Libro Werdeの人たちの決定的な特徴の1つは、「意識の変化」です。これは、Libro Werdeのほとんどの社会的、経済的、技術的イニシアチブが、「行き詰まっていない」人たちにより主導されていることを意味します。つまり、自分の元々のやり方や考え方、そして社会やグループの従来のやり方や考え方に精神的に縛られないということです。これは非常に重要な変化であり、精神的な、説明し難いレベルで起こります。

「行き詰まっていない」 とは、次のようなことを意味します:過去数十年および数世紀の「古い考え方」、「古い慣習」、「古い社会契約」は、過去に何らかの目的を果たした遺物と見なされます。古いもののいくつかは今日でも有用であり、この先も有用であり続けることもあるでしょう。しかし過去への憧憬はほとんどありません。 「従来のやり方」というだけで何でも採用されるべきではありません。

Libro Werdeの社会と人々は過渡期にあります。Werdean政権は、21世紀初頭の地球上の、北半球の小さな国民国家に比較的類似しています。政治経済は、自由民主主義、社会民主主義、またはテクノ民主主義に基づきます。見方によって異なります。

  • 古いものを捨て革新することは心理的な代償を伴います。新しいものを作ることはすなわち、古いシステムを破壊すること、あるいはその一部を捨て去ることを意味します。厳格な社会制度や価値観に頼ることで、安心感や安定感を得ることはできます。しかしその代償は自由です。安定した固定観念がもたらす安易な安心感を求める人は、例えるなら親の注意を引いてかまってもらいたい乳児のようです。しかし安定したケアを受ける一方で、抵抗できない乳児は親の気まぐれに翻弄されます。世界の可能性を自由に引き出したいのであれば、安易で単純な心理的安心感を思い切って諦めなければなりません。このため、多くのLibroWerde人は心理的な飛躍を成し遂げました。そして今のWerde区の在り方を可能にしています。

  • ほとんどのLibroWerde人は、きっちりと制限された安定感への望みを断念するというプロセスを経てきました。彼らは新たな平衡状態に到達しています。この新しいバランスにあっては、彼らは外部の支援(国家、社会の伝統、親の存在など)に依存しません。一方で、彼らは自分たちを自由意思の体現者と見なします。彼らはもう、精神的に限定された谷間に閉じこもりません。彼らは、広大な可能性の海に繰り出す船乗りやダイバーとなりました。

  • ある者は哲学を介して、またある者は禅のような瞑想により新しい平衡に到達しました。単純にそこに合理性を見出す者もいます。知的好奇心が旺盛な家庭に生まれた者もいます。これまで迫害や差別を受けた者もいます。ある者は危険やトラウマを経験しており、結果的に新たな観点から物事を見るようになりました。個人的な危機を経験した者は、その危機を通じて従来の生き方や価値観に縛られない見識を得ました。


Libro Werdeは積極的に惰性を排除する社会へと進化しました。不要な遺物となったシステムに依存しないよう警戒はしますが、古くても適切に機能するシステムは残り、維持されます。

意思決定のシステムは、数字や感情、共感を考慮に入れた合理的なプロセスによります。社会的、精神的惰性を排除する意思決定のプロセスには多大な労力を要しますが、LibroWerdeoid人たちはしっかりと未来を見据えるため、必要不可欠と考えています。

人間の発展の可能性は多岐にわたります。人間の創造性を限定する従来の経済や社会科学の言語では、未来の可能性への道筋を適切に語ることはできません。

しかし、人間の発達について進歩的な見方をして、伝統を否定することがLibroWerdeに住むための前提条件ではありません。大抵の考えは許容され、多様性は革新への鍵と見なされています。LibroWerdeには政治的、社会的保守層も多く住んでいます。その中には元々地元の者もいれば、他の地区から移住した者もいます。

しかし、Libro Werdeの成功の原動力は、知的好奇心が強く、不満を抱えた、変わり者とも言える人々です。彼らは安心よりも実験を好みます。一部のLibro Werdeoidはトランスヒューマニストでもありますが、大多数は違います。彼らは単純に、イノベーションを愛する者たちとも言えます。

3.協力モデル

共通の利益のためのグループワーク(またはスワームワーク、群衆の働き) は、LibroWerdeianの社会の基礎構造であり、基本的な運用方式です。職場や集団、社会的背景における人々の役割は、どちらかと言うと流動的で一時的なものです。必要であれば、個人が同時に複数のアイデンティティを重ね持つことも可能で、役割を切り替えることができます。

インクルーシブネス(包括性)はLibro Werdeの標準です。他の多くの社会では、管理や排除が当たり前となっていることはよくあります。これらの社会では、集団に所属するために自分自身の適性を証明しなければなりません。 Libro Werdeでは、自分自身がメンバーであると感じれば、それでもうメンバーです。メンバーであることを誇りに思えます。それでも、各自で自分の好きなことをして、どこにも属さず、距離をとることも自由です。個人の選択は尊重されます。

このポリシーの原点は、皆で固まること良しとする精神にあるわけではありません。より多くの者を含むほど、アイデアやリソースがより豊かになるという当然の論理です。 多様であればあるほど、メソッドや、イニシアチブ、アクティビティ、テクノロジー、そしてビジネスの、新しく創造的な組み合わせが生まれる可能性は高くなります。これは特に、高度な教育を受けて、自動化が進んだ、テクノロジーとスキルが豊かな環境でうまく機能します。

競争は、エネルギーと能率を後押しする効果的な触媒となりえます。しかし競争を常の信条とするわけではありません。場合によっては、競争に代わって緊密な相互協力がより効果的であったりします。

  • 具体例:Libro Werdeは、アイデアやコンビネーションを後押しするため様々なハッカソン(hackathon)を開催しています。優秀な結果を出した者と勝者には賞品と賞金がある一方で、「敗者」を排除するわけではありません。彼らの関心と情熱のエネルギーは、すべての人を含めることで、受賞プロジェクトに貢献したり、あるいはコンテスト後も自らのプロジェクトを継続するかたちで活かされます。

  • ハッカソンでのほとんどの成果は収集され、後にさらに良い結果を生むため再結合されます。アイデアや知識を無駄にすることはありません。生み出された知識は記録し、磨きをかけてから再結合します。その間、情報が検閲を受けて操作されないよう、注意して扱われます。

うまく機能するものであれば通常、無料で積極的に共有されます。少数の人々の間の秘密にすることは最良の活用ではありません。そうではなく、結果やノウハウは一般に共有します。なぜなら普通、情報は溜め込むより、共有することですべての人の「ケーキ」が大きくなるからです。 (ここに具体例 追加)

関心の異なるグループは、グループワークのツールやその他組織的なツールにより活動するためのアドバイスを受けることができます。 (ここに具体例 追加)

また、関心の異なるグループは、自分たちの行動を組織してまとめるための支援も受けることができます。集まってまとまることにメリットを感じる者は、より大きな組織(グループ)に参加することができます。 (ここに具体例 追加)

具体的なツール

タスクの整理

Libro Werde社会の様々なレベルで、より円滑な協力体制を可能とするため、サービス設計のメソッドが用いられています。より大きな目標とプロジェクトは、より細かなタスクに、マイクロタスクまで分割することができます。いくつかの実用的なツール、メソッド、サービスは、日常的に用いられさらなる開発が進んでいます。ツールは、高度な知識を要する作業を効率的に分割したワークフローを実現します。

貢献と経済

人々は、無償で手間と労力を提供することができ、その場合、彼らの報奨は単純に、役に立つ素晴らしいものの制作に関与したという事実です。彼らの名前や愛称は、貢献者として言及されます。

あるいは、トークンを受け取ることも選べます。トークンで物やサービスを購入できますし、貸し借りすることも可能です。トークンと貢献の事実は総勘定元帳に記録され、システムを保護するためにデータベースのバックアップコピーがいくつか存在しています。経済において、トークンシステムは、より伝統的な貨幣システムと並立し、補完する関係です。 (これについて パート2に続く 。)

委任

仕事と責任を委任するメソッドが用いられ、継続的に開発されています。こうしたメソッドは、個人の心理と動機、およびグループのダイナミクスを考慮に入れています。 権限の委託はキーワードのひとつです。人々は主に責任、信用、自主性を託されます。命令や強制による規制を受けません。信頼を与えることが、さらなる信頼と自発的な貢献を引き出し、高度な信用による社会が成立します。

時間のループ

Libro Werdeでは、時間もデザインされています。デザインメソッドにより作られた周期的なアクティビティカレンダーと周期的なワークフローが、すぐに対応可能な作業モードを実現します。部外者からすると、Werdoidsの組織は大雑把で、作業もまとまっていないように見えるかもしれません。しかし意図的にそうしているのです。最も適切で効率的なソリューションを有機的に実現させるために、オプションを広げ、物事を緩く捉えているのです。

Libro Werdeの包括的なパラダイムの1つが、ループです。未来に向かう単純で直線的な延長ではなく、フィードバックのループと反復があらゆる種類のアクティビティのためにデザインされ、適用されます。これは、ヴェルドイド語における「プロジェクト」という言葉を反映しています。

  • プロジェクトという言葉はラテン語の動詞proicereに由来していて、これは先行することを示すpro-から派生し、「行動に先立つ」という意味です。あることより時間的に先立つ別のこと、です。そしてiacereは「行動」です。したがって、「プロジェクト」という言葉は、もともと「行動に先立つ」という意味でした。

  • Libro Werdeの言語では、プロジェクト(project)の代わりに使用される言葉は dumject です。これはラテン語のdum「最中、途中、まで」と、iacere「行動」から来ています。したがって、「行動中」という意味です。

循環やループは進捗の停滞や遅滞とは異なります。これは、一回で物事をほぼ完璧に仕上げるためのWerdoidの手法です。そして、問題や間違いが発生した時には、dumjectの自己修正システムがいつでも機能してすでに実行されています。

このような進捗方法は、カレンダーなど具体的なものに体現されます。 Werdoidカレンダーは螺旋形で、三次元で進行します。振り出しに戻る二次元の円ではありません。

興味でつながる歴史の始まり


Werdoidsは、スワーム (群衆)が興味や目的でつながるコミュニティによるシステムを開発しました。そして彼らのエネルギーと活動が活かされる様々なフォーラムを開き、フォーラムでの議論と知識のデータベースを、コンテンツとインターフェイスのユーザーフレンドリーなフレームワーク(または柔軟なクラスター)にしてまとめました。これは、研究やビジネス、社会活動をリアルタイムでサポートします。これが彼らの効率的な開発システムのバックボーン(または外骨格)です。

このシステムの初期のバージョンは、大まかにDiscourseシステムに基づいた(その時代にしては)徹底的にオープンなディスカッションプラットフォームでした。これらのプラットフォームは「インターネット」上に設定されました。(インターネットとはグローバル通信のネットワークシステムで、古代ヴェルドイド時間410227200頃に始まったと一般に考えられています)。

これら「インターネット」のディスカッションプラットフォームは、地球という惑星では発展し、さまざまな階層で成功を収めました。起業家が新規事業として立ち上げたものもあれば、大企業が作り上げたビジネスもあります。その他は、異なるトピック、プロジェクト、コミュニティが珊瑚のように融合したもので、さまざまな過程でさまざまな機会に集まり、そしてまた分散しました。フォーラムでは慌ただしい動きや激しい議論もありましたが、長く落ち着いた時期もありしました。

成功の要因は、物理的な距離を問題としない点と、そして特に、オープンで透明性のある議論ができる点でした。最も成功したコミュニティの融合体は、参加者に人生の意義を提供するほどになりました。参加者と貢献者は、好奇心や向上心、そしてコミュニティのためのニーズを満たすことができました。

同時に、コミュニティは、従来の統治方法ではなしえなかったいくつかのやり方で、社会をより良い方向に変革する有意義な結果を残しました。フォーラムでのオープンな議論と活動、そしてその徹底した透明性により、インターネット上での可視性を確保しました。相当な知識を求められるような話題でも、より多くの人々が積極的に関わっていきました。その他のより閉鎖的なオンラインコミュニティのほとんどは、遅かれ早かれ衰退する運命にありました。

これらコミュニティの参加者と貢献者は、オープン性をより高いレベルに引き上げることができると気づき、新しいサービスパッケージを作成しました。このサービスパッケージは、役に立ちそうなおもしろいことに取り組む人たちのグループが、このようなフォーラムを望む場合、同様のオンラインフォーラムを設定してあげます。さらに、プラットフォーム上でどのようにコミュニティを構築して運営するか、一から十まで教えます。エンターテインメントやゲームの要素など、魅力的な視聴覚コンテンツも融合しました。こうした組み合わせにより、サービスは大成功を収めました。

このようにして作られたさまざまなフォーラムは、互いにより緊密に協力するようになりました。これを容易に行えたのは、それぞれのフォーラムが類似の技術ソリューションとプラットフォームを使用しているためです。ユーザーアカウントはプラットフォームをまたいでの共有が可能で、一つのシステムに登録すれば、他のほとんどのプラットフォームとフォーラムにアクセスできました。

さらに多くの人々がこのシステムに関わり、投資も増えるにつれて、より効率的かつ迅速に情報が流れるようになりました。必然的に、利益や信条が相反するいくつかのグループの間で対立も生じました。しかし全体としては、システムは革新的で創造性に溢れるネットワークに成長しました。世界中に、大小含めて何百ものノードができました。人々の関心や活動は効率的な共有方法で組織化されました。いくつかのケースでは必要が生じたため、中央の意思決定システムの下で連合することもありました。

これら自由に結びついたコミュニティから派生したメンバーたちが、Libro Werde地区の基礎を築いたのです。



パート2:

個人そして集団による創造的行動について

このパートでは、リブロ・ヴェルデにおいて、個人や集団の創造的行動がどのように組織化されているかについて説明します。様々な方法論やコンセプトがあり、さらなる研究が行われています。

カオスを利用するブレインストーミング

「Wisdom of the moment(瞬間の知恵)」、「epiphany(エピファニー、悟り)」、「intuition(直観)」はすべて、ビジョンやインサイトのスナップショットを撮って、その瞬間を捕らえることを意味します。リブロ・ヴェルデの人たちはこれを得意としており、ブレインストーミングの方法論を完成させるために努力を重ねてきました。彼らは、このような瞬間のスナップショットを撮って記録し、瞬間的洞察を実現することを目指しました。ビジョンが生じて記録されると、今度はそのビジョンを実現するため、「バックキャスティング」行います。

初期のヴェルデ人は、新しいテクノロジー(いわゆる「インターネット」とそれに伴い実現した一連のテクノロジー)により、距離が問題でなくなったことを意識しました。また、以前は何日も何週間もかかっていた作業が、一瞬で完了するようになったため、時間も問題でなくなりました。(例:電子郵便「Eメール」vs. 古代の「郵便サービス」)。

オープンで信頼性が高く、リスクの少ないデジタル社会では、膨大な量のリソースが「宙に浮いて」います。これらのリソースを無料で、あるいはほぼ無料で利用することが可能です。十分な理解と教育、そして経験があり、どんな要素を選んでどのように組み合わせるかわかっていれば誰にでもできます。

デジタル通信技術やコンピュータ技術が広く普及した後も、世界の大多数の人々は前世紀のメタファーとパラダイムの内に留まっていました。千年以上昔からの、例えば工場や城、封建制度なども残り、権力階層は言語によって強化、再生されました。

社会や世界は、それぞれに異なる大きな分野の集合体と捉えられてきました。例えば、人間と動物、男性と女性、賢い者と愚か者、生物と無生物、都市と田舎、職業による違い、生産と革新、また科学の分野などははっきりと区分けされています。

細分化

初期のWerdoidは、このような物事や領域の大まかなグループ分けを、知的観点からして雑なものと考えました。彼らは、より細分化した世界観を取り入れました。

この問題は、哲学的には、分離に対する連続というパラドックスに通じるものがあります。物事の意味のある最小単位とは何で、どこまでが最大限に有意義な細分化なのか?物事には段階や範囲があるのか?それとも、あるものは明らかに他のものとは分離し、異なるのか(つまり、連続するのか分離するのか)?これは、ある現象が別の現象に変化するとき、どこで線引きをするか、という問題にも表されます。どの波長で黄色は緑に、オレンジは赤になるのか?複数の波長が混ざり合った色は、何色と呼べばいいのか?

実用志向でありながらまたマニアックでもあるWerdoidの人々は、哲学的な含意を認識しつつも、思考や行動をより細分化することによって生じる現実的な利点にも着目します。

Werdoidsは作業方法の改善を得意としていて、仕事の方法論を改善するための研究を続けています。ワークフローデザイン、サービスデザイン、タイムデザインなどのツールを用いることで、創造的かつ生産的なエネルギーを効率的に活用することを可能にします。

経験則から、リブロ・ヴェルダンは仕事のモードを、マネージャーモードとメーカーモードの2つに区別しています

マネージャーモードは一般的に、思索、コミュニケーション、意思決定、その他の行動を短時間集中して一気に行います。素早く決断し、次から次へと課題の解決に取り組む、多忙なプロジェクトマネージャーの動きに似ていることから、マネージャーモードと呼ばれます。なお、「マネージャーモード」という用語は、行われる作業に対する管理も意味します。必ずしも人を管理するわけではなく、むしろたくさんの作業の管理に努めることを意味します。

メーカーモードでは、一つの作業に長時間かけ、じっくり深く考え、安心して集中することができます。このような作業モードは、徹底的な分析を伴う創造的な作業に適していて、また必要とされます。

マイクロタスクは、時間をかけて考えるより経験則が求められるマネージャーモードにおいてより機能します。Libro Werdeでは、経験則から明らかと判断すれば、経済を可能な限り効率的にするためマイクロタスクが活用されます。テイラーの科学的管理法による過酷で機械的な生産ラインと異なり、Werdoidの創造的な生産システムは、意義とやりがいのあるマイクロタスクを貢献者の群衆に割り当てます。これが、柔軟性と学習能力を備え、抑制と均衡のとれたインテリジェントシステムによって行われます。仮想のチームと群衆が一緒になって仕事に取り組みます。

彼らのためにマネージャーがいることもあれば、自律的に動く場合もあります。テクノロジーは必要に応じて活用されますが、過度に依存することはありません。Werdoidは、オフラインとオンラインをかけ合わせたヒューマンテクノロジーシステムが効率的であると気づきました。ペンと紙が最適なソリューションになることもあれば、細かいグリッドのインターフェイスにアップロードされたアプリひとつで済むこともあります。しかし多くの場合、迅速なテクノロジーと人間組織の組み合わせが最良の流れと良い結果をもたらします。

また、貢献者の群衆は、いつでも自分の持ち分を拡大することができるため、気の遠くなるような細かいタスクの機械的に繰り返しに縛られることはありません。よりシンプルなタスクでスキルを証明できれば、ハイブリッドシステムにより、より大きな、複雑な作業に取り組むためのレベルアップのオプションが与えられます。

状況次第で、タスクを達成すると、仮想ランク(ゲームのレベルのようなもの)や金銭、またはトークンが与えられます。 トークンはお金のように機能しますが、自己啓発やプロジェクト開発へ再投資する場合により適しています。なぜなら、他のWerdoidによる質の高い知的作品をトークンで購入できるからです。質の高い情報を与えることは、人々の義務であり、願いでもあります。高い教育レベルと継続的な学習が結びつけば、Werdeanのマイクロタスクシステムはとても円滑に機能します。

細分化は、空間の効率的な利用にもつながります。自宅、店舗、レストラン、オフィスなど、比較的区分された領域の境界は非常に曖昧になってきています。確かに自宅は存在しますが、信用度の高い社会では空間を柔軟に活用することができます。人々はある程度互いに信用し合えるため、家の空間の一部を他人と共有することは一般的になっています。実用志向で好奇心旺盛なWerdeanたちは、これもコミュニケーションを円滑にするための機会と見ています。人と人とが出会い、イノベーションが生まれる状況を作り出せるからです。

これまで、営業時間外は無駄に空いていたオフィスが、今では多機能スペースになっています。ビジネスで使用していない間は、他の目的のためにまるまる利用することができます。多くのスペースが完全に多機能となり、「オフィス」という概念は意味をなさなくなりました。もちろん、共有することでビジネス上の秘密や研究開発の機密保持の問題も生じます。しかし、ワークスペースやラボは共同利用が可能となるようデザインされています。制限がかかったエリアは最小限にして安全も確保されているため、スペースの共有によるリスクは最小限に抑えられています。

細分化のもう一つの側面は、時間の効率的な利用です。これは所有に関係してきます。所有するより共有する方が、はるかに資源の効率がよくなります。

例を挙げましょう。自分の道具小屋にすべての道具を常備しておけば、個人の時間は節約できます。いつでも必要なときにすぐに使えるからです。しかしそれら道具は、たとえば80%の時間は使われずに放置されているだけかもしれません。そこで、5人で道具を共有し、超効率的な時間共有システムが可能な状況を想像してみてください。道具を完備した使用率100%の道具小屋1つが、5人分の必要を満たします。しかし全員が所有を独占したい場合、使用率20%の道具小屋が5棟建ちます。これを言い換えると、フル装備の道具小屋4棟は100%の時間使われずにいるまま、ということになります。


効率的なプロセスは、理性と情熱がうまく統制されたときに実現します。統制と言っても、Werdoid人は抑圧したり厳格にコントロールするわけではなく、健全な均衡を実現するシステムを意味します。フロー(流れ)はデザインすることができます。ループやアクティビティや休養を効率的に計画することで、もっと有効に脳は機能します。(例えば、サブタスクや「プログラム」を実行するよう脳を訓練します)。

無理強いや忍耐力でタスクをこなすことは、短期的な解決策としては有効です。しかし、それぞれのタスクに執着せず、問題は一旦放置し、後で新しい別の解決策により取り組む(反復)方が、スマートで効率的なやり方です。

Distrikt(地区)の人々は常に学習しています。彼らは、「マネージャーモード」や「メーカーモード」など、自分たちの異なる活動モードを意識していて、これらのモードを効果的に活用することができます。それぞれが自分の感情を意識していて、健全な感情の自己管理がうまくいかない人たちは、研修を受けることができます。

Werdoidのライフデザイン研究の最先端のシステムは、人間の肉体的・感情的な反応が協調するよう考慮して仕事をデザインします。その結果、ワークフローの中で、作業自体が瞑想的になります

仕事を終えて疲れ果てるのではなく、最高のワークセッションは、労働者の疲労を回復させ滋養を与えます。ワークセッションを終えた参加者は、始まったときより元気が回復していて、やる気に満ちています。このシステムにはさまざまなバリエーションがあります。個人、チーム、スワーム(群衆)やシステムの間のコミュニケーションは、自然な流れに導かれるようデザインされています。これにより、チームワークとコミュニケーションは、アート作品となり、同時に喜びとなります。参加者たちによるパフォーマンスアートです。そしてかつ、効果的で、生産的で、創造的でもあります。

(続く)